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Dr.大久保の健康コラム

Dr.大久保の健康コラム

春眠暁を覚えず。眠りが心地よい季節になりました。

睡眠

 では、理想的な睡眠時間とはどのくらいでしょうか。ナポレオンは3時間しか寝なかったとか、アインシュタインは10時間以上眠っていたとか言われていますが、さだかではありません。重要なのは、睡眠の量(長さ)ではなく、質です。

 現代のストレス社会では、成人の4人に1人が睡眠に関する問題を抱えていると言われています。

 理想的な睡眠環境および、快眠のための生活習慣は

&deco(red){1、日中はなるべく活動的に過ごす。(日中に太陽の光を浴びると、夜間に睡眠物質と
  言われるメラトニンが脳からよく分泌されます)
2、寝室はなるべく暗くする。(暗いほどメラトニンがよく分泌されます)
3、室温は、夏は26度、冬は16~19度、湿度は50~60%ぐらいが適切です。
4、毎日同じ時刻に起床するよう心掛けましょう。
5、少量のアルコールはよいが、飲み過ぎると逆に不眠のもとになります。
6、就寝前にストレッチ、読書、音楽鑑賞など自分なりのリラックスタイムを持つ。};
  音楽は、ゆったりしたテンポで歌の入っていないものを選ぶとよいです。
(森山雪子さんのCD「A bouquet of the new world EVO」などがお勧めです。)

 睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の2種類があります。
レム(REM)というのは、急速眼球運動(Rapid Eye Movement)のことです。ヒトは眠るとまず「ノンレム睡眠」に入ります。これは脳の活動が停止した深い眠りです。ところがしばらく経つと、なぜか脳はまた活動を始めます。これが「レム睡眠」です。この時脳は覚醒時と同じぐらい活動していますが、体は眠ったままです。この周期が約1.5時間で、これが一晩に4~5回繰り返されます。

 レム睡眠中には、たいてい夢を見ていますが、つじつまの合わない奇妙な夢、追いかけられたり試験に失敗したりといった、あまり良くない内容の夢が多いようです。

「君がどんなに遠い夢を見ても、君自身が可能性を信じるかぎりそれは手の届くところにある」(ヘルマン・ヘッセ)

 こんな夢なら見つづけていたいですね。
【大久保忠俊(おおくぼ ただとし)医学博士・大久保外科/消化器科院長】
大久保外科/消化器科 浜松市中区菅原町16−15(県居小学校そば)
TEL:053-453-4598 FAX:053-453-4975


「ノロウィルス」

腹痛

 この時期、忘年会や新年会で、生ものを食べてお腹をこわした人もおられるのではないでしょうか。食中毒の原因のほとんどは、細菌とウィルスです。

 細菌は高温多湿を好み、食品の中で増殖するので、夏の時期に多く発生します。病原性大腸菌(O-157など)やサルモネラ菌などが代表的なものです。
 一方、ウィルスは低温や乾燥した環境を好み、人の腸の中で増殖するので、冬場に多く発生します。その代表的なものがノロウィルスです。

 ノロウィルスはもともと海水中に存在しています。カキやアサリなどの二枚貝は、その海水を体内に取り込み、ウィルスを内臓に蓄積して海水だけを吐き出しています。したがって、冬に旬を迎えるカキを生で食べたときに感染することが多いのです。

 人から人へも感染し、老人施設や保育園などで、調理人がウィルスに汚染された手で食材にさわるなどして集団発生したというようなニュースを時々耳にしますね。
 また、冬になると忘年会などで暴飲暴食することが多くなります。そんな時に誰かが嘔吐し、そこからノロウィルスが飛び散って集団発生することも多いようです。

 このウィルスは感染力が非常に高いため、感染すると1,2日で症状が出ます。主な症状は、嘔吐、下痢で、発熱はほとんど見られません。
 残念ながら、まだ特効薬やワクチンはありません。嘔吐や下痢によって脱水症になるため、十分な水分補給が必要です。点滴治療が必要になることもあります。

感染の予防としては、
1、手洗いを徹底すること。特にトイレに行った後や食前には石けんでしっかりと洗ってください。この時、タオルは共用しないでください。
2、貝類は十分に加熱して調理(85℃で1分以上)してください。
3、嘔吐や下痢をしている人にはなるべく近づかないようにしてください(やむを得ない場合は、しっかりマスクをする)。
4、患者さんの吐物や便のついた物は、次亜塩素酸ナトリウム(ハイターなど)でしっかり消毒してください。

kaki

  生ガキは美味しいので私は大好きです。今まで一度もあたったことはありません。一説によれば、血液型B型の人はカキにあたりにくいそうですよ。ちなみに、私はB型です。

【大久保忠俊(おおくぼ ただとし)医学博士・大久保外科/消化器科院長】
大久保外科/消化器科 浜松市中区菅原町16−15(県居小学校そば)
TEL:053-453-4598 FAX:053-453-4975

「腸内細菌の話」

 最近、「腸内細菌」とか「腸内フローラ」という言葉をよく耳にしますね。腸内細菌を元気にする「腸活」という言葉も出てきました。
 
 腸の中には無数の細菌が住みついていて、その数何と600兆個以上、まさに天文学的な数ですね。

 顕微鏡で腸の中を覗くと、それらはまるで植物が群生している「お花畑(Flora)」のようにみえることから「腸内フローラ」と呼ばれているのです。

 腸内細菌は、体に良い働きをする「善玉菌」、悪い働きをする「悪玉菌」、どちらにも属さず、優勢な方に味方する「日和見(ひよりみ)菌」の3つに分類されます。

善玉菌

 善玉菌の代表は、「乳酸菌」「ビフィズス菌」などで、腸の運動を促進させたり、ビタミンを合成したり、体の免疫力を高めたりする働きがあります。
 
 悪玉菌の代表は、「大腸菌」「ウェルシュ菌」「クロストリジウム菌」などで、毒素や発がん物質などを産生します。

 腸内フローラの理想的な状態は、「善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7」とされています。
 
 加齢、食生活の乱れ、ストレスなどでこのバランスが崩れて悪玉菌が優勢になると、便秘や下痢などお腹の調子が悪くなるだけでなく、毒素が腸から吸収されて様々な病気をひき起こします。
  消化器の病気にかぎらず、生活習慣病、精神疾患、アレルギー疾患などとも関係します。肌荒れの原因になったり、老化も促進させます。
 
 最近「便やオナラがくさい」という人は要注意ですね(笑)。産まれて間もない赤ちゃんの腸にはまだ悪玉菌がいないので、赤ちゃんのウンチはくさくないのです。

 したがって健康を保つためには、いつも腸内環境を正常にしておく、つまり善玉菌が優勢な「腸内フローラ」にしておくことが大切です。
 
 善玉菌を増やすには、ビフィズス菌を豊富に含むヨーグルトや乳酸菌飲料が最適です。その際、善玉菌のエサになるオリゴ糖を一緒に摂るとさらに効果的です。オリゴ糖はバナナ、大豆、玉ネギなどに多く含まれています。
 
 また、豆類や海藻類、キノコなど食物繊維の多い食べ物も積極的に摂るようにしましょう。納豆やゴボウなどがとくにお勧めです。

 もちろん日常生活では、十分な睡眠をとること、ストレスを上手に発散すること、適度な運動をすることなども大切です。

 女性の皆さん、美人になりたかったらまず腸の中からきれいにしておきましょう。

女性

【大久保忠俊(おおくぼ ただとし)医学博士・大久保外科/消化器科院長】
大久保外科/消化器科 浜松市中区菅原町16−15(県居小学校そば)
TEL:053-453-4598 FAX:053-453-4975

「水虫の話」

 「どんなにどんなに離れていても ぼくは君を忘れはしない
 夏になると思い出す 君と歩いたあのなぎさ」
大久保さん

甘いラブソングのようですが、これは1968年にヒットした「水虫の唄」の出だしです。

 夏本番を迎え、私の医院にも水虫の患者さんが目立つようになりました。私もかかったことがありますが、痒くて閉口しますね。また、一度かかると治りにくい、やっかいな病気です。

 水虫の正体は、実は「虫」ではなく白癬菌という「カビ」の一種です。皮膚の角質に寄生し、この成分のケラチンというタンパク質を食べて増殖します。
 「水虫」という名の由来は、昔お百姓さんが田んぼで白癬菌に感染することが多く、足が痒くなるのは、田んぼの中にいる何かの虫に刺されたと考えたからだそうです。

 水虫はカビですから高音多湿の環境が大好きで、お風呂場やプールの足マット、スリッパや靴の中などに住んでいます。そのため足にできることがほとんどです。足の趾の間がジュクジュクしたり(趾間型)、足の横や土ふまずに水ぶくれができたり(水疱型)、足の裏が硬くなってヒビ割れたようになったり(角質増殖型)、いろいろなタイプがあります。また、足の爪がボロボロになってゆく「爪水虫」も増えています。

 足以外にできるものは、部位によって独特の呼び名があります。体にできるものは、その大きさが貨幣大であることから「ぜにたむし」といわれ、赤みが輪になって周りに広がってゆくのが特徴です。股にできるものは「いんきんたむし」といわれますが、あまり品のいい呼び名ではありませんね。頭や髪の毛にもできることがあり、「しらくも」といわれます。

 水虫の予防は、
(1)毎日しっかり足を洗う
(2)通気性のよい清潔な履物を履く
(3)靴は毎日取り替えて履き、履いた靴はこまめに乾燥させる
(4)家族でバスマットやスリッパ、爪切りを使う時は別々のものにする
等です。

SAKAMOTO

 水虫は、靴を履くことのなかった時代にはあまりなかったと思われます。ただ、幕末の志士坂本龍馬は新しい物好きで早くから革靴を愛用していたとのこと、ひょっとしたら水虫に悩んでいたかもしれませんね。

「せつなくうずく水虫は 君とぼくとの愛のしるし
どんなにどんなに離れていても ぼくは君を忘れはしない」(水虫の唄)


【大久保忠俊(おおくぼ ただとし)医学博士・大久保外科/消化器科院長】
大久保外科/消化器科 浜松市中区菅原町16−15(県居小学校そば)
TEL:053-453-4598 FAX:053-453-4975


「花粉症」

画像の説明

 この時期、花粉症で悩まれている方も多いでしょうね。
 花粉症、とくにスギ花粉症の患者さんが年々増加しています。スギ花粉症は2月~4月ごろがピークですが、3月~5月ごろはヒノキ、5月~9月ごろはイネ、カモガヤなど、8月~11月ごろにはブタクサによる花粉症が多く発生します。

 予防対策としては、
1)花粉の飛散が多い日(温かく湿度の低い日、雨の日の翌日、風が強い日など)の外出を避ける

2)外出する時は、マスク、大きめのメガネ帽子を着用する。

3)花粉が付着しやすいウール類の衣類はなるべく避け、外出から帰ったら、髪の毛、コートなどに着いた花粉をブラシなどで落とし、うがいと洗顔をする。

4)花粉の飛散の多い時間帯(12時~15時ぐらい)の布団や洗濯物の外干しはなるべく避け、干した洗濯物や布団はよくはたいて、花粉を落とす。

5)室内を常に清潔にしておく。
  ダニ、ハウスダスト、ペットの毛などのアレルギーもけっこう多いですよ。「あなたの鼻炎の原因は、花粉じゃなくて部屋のホコリやダニです。」なんて言われたらちょっと恥ずかしいですよね。

6)適度な運動、十分な睡眠、ストレスの解消などによって、花粉と戦える身体を作ることも大切です。

 治療はなるべく症状が軽いうちに始めた方が効果的です。とくに毎年花粉症になる人は、症状の出る前から始めることをお勧めします。
 治療法としては、抗アレルギー薬の服用、点鼻、点眼など対症療法が一般的ですが、原因そのものを治す治療法として、原因物質のエキスを少量から注射して身体を慣らしてゆく「減感作療法」や、舌の下にエキスを入れる「舌下免疫療法」などがあります。


 花粉症の症状といえば「くしゃみ・鼻水」が代表的ですが、「くしゃみをすると、誰かが噂をしている」というジンクスがありますね。
 昔は、「何か良くない霊の仕業によってくしゃみが出る」と考えられていました。それで、「人が呪っている」というのが「人が噂をしている」に変化したようです。

 くしゃみの回数によって、「一に褒められ、二に憎まれ、三に惚れられ、四に風邪ひく」などとも言われますね。私は先ほど3回続けてくしゃみが出たので少し期待したのですが、その後4回め、5回めと出てしまいました。どうやら風邪をひいたようです。


【大久保忠俊(おおくぼ ただとし)医学博士・大久保外科/消化器科院長】
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「お酒と健康」

この季節は熱燗がおいしいですね。
「酒は百薬の長」と言われ、適量の飲酒は、食欲を増したり、ストレスを発散させたり、また人間関係を円滑にするなど多くの効用があります。
 米国保健協会の調査でも、「適量のお酒を飲んでいる人の死亡率は、全く飲まない人より低い」という結果が出ています。

 適量の飲酒が死亡率を低下させるのはなぜでしょうか。
それは動脈硬化を予防するHDL(善玉)コレステロールを上昇させるからです。ワインなどに含まれるポリフェノールにも同様の作用があることが知られています。

 ただし飲み過ぎは心身にさまざまな悪影響を及ぼします。その代表が肝障害です。
 お酒(アルコール)は、胃腸で吸収され、肝臓でアセトアルデヒドという物質になり、それがアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)によって分解され、最終的に二酸化炭素と水になって体外に排出されます。

 アセトアルデヒドは毒性が強いため、ALDHの働きが弱い人(低活性型)あるいは全く働かない人(不全型)は、顔が赤くなったり、動悸がしたり、頭痛、吐き気などの症状が出ます。日本人の40%が低活性型、4%が不全型といわれています。
 すぐに顔が赤くなるような人は、アセトアルデヒドが解毒されにくいのですから無理して飲んではいけません。私もお酒は好きですが、どちらかというと低活性型ですので、自分のペースで飲むように心掛けています。

 飲酒による肝障害はまず「脂肪肝」から始まり、「アルコール性肝炎」「肝硬変」さらには「肝臓がん」へと進行します。
 また、飲み過ぎは肝障害だけでなく、膵炎、糖尿病、高血圧症、心疾患なども引き起こしますし、飲酒量を自らコントロールできなくなってしまう「アルコール依存症」に陥る危険性もありますので注意が必要です。

 最後に、身体にやさしいお酒の飲み方は、

 1、週2日は肝臓を休める「休肝日」を設けましょう。
 2、お酒は食事とともにゆっくりと飲みましょう。
 3、強いお酒は水割りにするか、チェイサー(強いお酒を飲んだ後つづけて飲む水など)と一緒に飲むようにしましょう。
 4、1人で飲むより、みんなで楽しく飲みましょう。
  
「ひとり酒場で飲む酒は、別れ涙の味がする♪」
(美空ひばり・悲しい酒)より、
 
「生きてゆくのが辛い日は、おまえと酒があればいい♪」
(川中美幸・ふたり酒)
  
の方がいいですね。

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【大久保忠俊(おおくぼ ただとし)医学博士・大久保外科/消化器科院長】
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「ピロリ菌と胃がん」

胃痛

 「ピロリ菌」という名前の細菌をご存知でしょうか。
この菌は胃の中に住んでおり、正式には「ヘリコバクター・ピロリ」と言います。ヘリコプターのようにしっぽを回転させて移動することから名付けられました。
「ピロリ」は、胃の出口である「幽門」という意味です。

 胃の中は強い酸性であるため、ふつうの菌は生存することができません。
しかしこの菌は特殊な酵素で胃の中をアルカリ性に変化させ、酸を中和させて生きています。
 衛生環境の悪い時代に井戸水などから多くの人が感染しましたが、現在感染する機会はずっと減りました。したがって高齢者ほど感染率が高くなっています。

 「胃潰瘍」という病気は、以前は食生活の乱れやストレスで胃酸過多になることによって起こると考えられていました。しかし大部分がピロリ菌感染によって起こることが分かってからは、除菌(抗生物質等で菌を殺してしまうこと)によってほとんど治ってしまいます。
 「ストレスが多くて胃が痛いよ。」と言う人がいますが、ピロリ菌のせいかもしれ
ませんよ。

 なお近年、ピロリ菌が「胃がん」の原因になることが分かってきました。
ピロリ菌に感染している人は、そうでない人より約5倍も胃がんになりやすいと言われています。
 ピロリ菌に感染すると胃に炎症を起こし、それが萎縮性胃炎と呼ばれる状態になり、そこから「がん」が発生するのです。

 浜松市では数年前から全国に先駆けて胃カメラによる胃がん検診を行っています。この検診では単に胃がんを見つけるだけでなく、ピロリ菌感染による萎縮性胃炎を見つけ、将来胃がんにかかる危険性をも判定しているのです。

 50歳を過ぎたら胃カメラによる胃がん検診を受け、できればその際にピロリ菌に感染しているかどうかを調べてもらってください。
 若い人も、ピロリ菌感染率は低いですがゼロではありませんので、できれば検査を受け(胃カメラをしなくても分かる方法があります)、もし感染していたら除菌治療を受けてください。
 除菌はできるだけ若いうちに行った方が胃がん予防に効果的です。

 胃がん検診とピロリ菌除菌によって、「胃がん撲滅」も夢ではないかもしれません。



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「夏ばて」

太陽

 夏まっ盛りですね。すでに「夏ばて」ぎみの人もおられるのではないでしょうか。「夏ばて」とは、暑さによって熱中症や脱水症になったり、冷たいものを多量に飲んだりすることで胃腸の働きが弱まり、食欲がなくなったり、疲れやすくなった状態のことです。

 では、「夏ばて」を防ぐにはどうしたらよいでしょうか?


1. 水分を十分にとること。
  
 特に朝起きた時、寝る前、入浴の前後などにとるようにしましょう。
その際、水分と共に塩分も補給することが大事です。市販の経口補水液(OS-1、スポーツドリンク)で十分ですが、梅こんぶ茶などもいいですね。お茶は、緑茶や紅茶などカフェインが多いものより、麦茶がお勧めです。ジュースなど甘いものや冷たいものは飲み過ぎないようにしましょう。


2. エアコンを上手に使い、快適な睡眠をとるようにしましょう。
  
 外気との温度差は6℃以内にとどめ、室温は27~28℃ぐらいがお勧めです。冷え過ぎは「夏ばて」の原因になります。


3. 除湿を心掛けましょう。

 湿度は70%以下にしたいものです。


4. 風通しのよい、ゆったりした服装を心掛けましょう。

 強い紫外線は「夏ばて」の原因になりますので、外出する時は日焼け止めクリームを塗ったり、日傘帽子を使いましょう。


5. 規則正しい栄養バランスのよい食生活を心掛けましょう。

 夏ばて防止には、ビタミンB1がよいと言われています。ビタミンB1は、うなぎや豚肉、レバーなどに多く含まれており、昔から土用の丑の日にうなぎを食べる習慣がありますが、理にかなっていますね。お酢を使った料理も疲れをとる効果があります。


6. 「汗かき上手」になること。

 頭も手足も、使わなければ働きが衰えます。汗腺も同じで、いつも冷房の効いた部屋ばかりにいると汗腺の働きが衰えてしまいます。できれば、暑くなる前から積極的に運動して汗をかく習慣をつけておくことが大事です。


 以上のことに気をつけて元気に「夏ばて」を吹き飛ばしましょう。
でも「夏ばて」を無事に乗り切っても、最近は「秋ばて」「冬ばて」「春ばて」する人も増えているそうですから、1年中油断はできませんね。


【大久保忠俊(おおくぼ ただとし)医学博士・大久保外科/消化器科院長】
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「自律神経失調症」

神経

 「体がだるい」「食欲がない」「頭が重い」「おなかの調子が悪い」などの症状で病院を受診し、あらゆる検査をやってもどこにも異常が見つからず「自律神経失調症ですね。」と言われたことはありませんか。

 自律神経とは、文字どおり自律(自動)的に働く神経のことで、心臓、胃腸など内臓の働きや、汗をかく、涙が出る、鳥肌が立つなど、我々の意思とは無関係に体が勝手に行っている活動をすべて支配しています。

 自律神経は、「交感神経」「副交感神経」という正反対の働きをする2つの神経から成り立っています。
 
 「交感神経」は、昼間働いている時、緊張している時、ストレスを感じている時などに働きます。交感神経が活発になるとアドレナリンが放出されます。「興奮してアドレナリン全開!」などと言いますね。アドレナリンは血管を収縮させたり、脈を速めたりします。
 
 「副交感神経」は、リラックスしている時、眠っている時などに働きます。胃腸の働きは副交感神経が支配しています。わかりやすく言えば、「交感神経」は自動車のアクセル、「副交感神経」はブレーキ役ですね。

 この二つの神経のバランスがうまくとれていれば問題ないのですが、どちらかが優位になり過ぎると、体にさまざまな不調が現れます。このような状態がいわゆる「自律神経失調症」です。

 とくに問題になるのは交感神経が優位になり過ぎた場合です。ストレスや緊張で交感神経が働き過ぎると、血管が収縮して血流が悪くなり、筋肉に血液が行かなくなるので疲れやすくなり、また脳の血流も悪くなるので判断力も鈍くなります。相対的に副交感神経の働きが弱くなるため、食欲がなくなったり、便秘や下痢になったり、寝つきが悪くなったりします。

 したがってこのような状態を改善するには、副交感神経の働きを高めてやればよいのです。具体的には、ゆっくりと余裕をもった行動をすることです。夜はぐっすり眠る、規則正しい食生活をする、笑顔を心掛ける、などです。

 いやなことがあったりして、口が「への字」になっているなと思ったら、意識的に口角を上げるようにしましょう。たとえ「つくり笑い」でも、それだけで副交感神経の働きは高まります。

 また、良い音楽を聴くことも副交感神経を高めるのに大いに役立ちます。
森山雪子さんの「ヤマトタケル物語」を聴きながら、腕の良い整体師にマッサージしてもらえば、もう完璧ですね。

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ワクチンの話

画像の説明

 インフルエンザが流行しています。先日ついに私もかかってしまいました。「何とかの不養生」ですね。もちろん予防接種はしたのですが・・・。今シーズンは、私にかぎらず予防接種したのにかかってしまった人が多かったようです。何故でしょうか。

 インフルエンザウィルスは毎年型を変えるので、専門家がその年に流行しそうな型を予想しワクチンを作りますが、時に予想しなかった型が混じって流行することがあります。今年はそれが顕著だったようです。「それじゃあワクチンなんか無駄じゃないか」という声もありますが、やはり接種しておいた方がかかりにくいことは確かですし、かかっても軽くすみます。私もそれほど熱も出ず、2,3日ですっかり治りました。

 人間には、体内に病原体が侵入するとそれを排除する力が備わっています。しかし、はじめて侵入してきた病原体に対しては素早い反応がとれず、発症を防げないことが多いのです。でも病気が治った後、体内に抗体ができるので、次に同じ病原体が侵入してきた時には、抗原抗体反応によって発症が阻止されます。これが免疫反応といわれるものです。

 予防接種は、ワクチンを接種して免疫反応を人工的につくるものです。ワクチンとは、病原体の感染力を弱めるか無くしてしまい、かつ免疫反応を起こす
性質のみを残したもので、「生ワクチン」「不活化ワクチン」成分ワクチン」などの種類があります。

 「生ワクチン」は、毒性を弱めた病原体を生きたまま接種するもので、結核、はしか、風疹、おたふく風邪、水ぼうそうなどが代表的です。一度接種すれば終生免疫が得られ、ほとんど一生かかりません。

 「不活化ワクチン」は、病原体の感染力を完全に無くしたもので、日本脳炎、狂犬病、百日咳などです。終生免疫は期待できず、副作用も問題になります。

 「成分ワクチン」は「不活化ワクチン」のもつ副作用を少なくしたもので、インフルエンザワクチンがこのタイプです。やはり終生免疫は得られません。

Dr.大久保

 まだまだインフルエンザは猛威をふるっています。予防接種した人も安心できませんので、手洗い、うがいの励行など予防に心掛けてください。
でも患者さんに「先生にワクチン打ってもらったけどかかっちゃったよ。」と言われるとちょっと後ろめたい気分になります。「予防接種代返せ。」と言われるのではないかとビクビクしています。

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熱の話

発熱

 今マスコミで2つの熱病が話題になっていますね。
 
 1つは「デング熱」

 海外渡航の経験がない人が東京で発症し広がっています。デングウィルスによる感染症で、ヒトスジシマカという蚊が媒介します。ワクチンや治療薬はまだありませんが、ほとんど自然に治りますので、それほど恐い病気ではありません。

 もう1つは、アフリカで流行している「エボラ出血熱」

 これもエボラウィルスによる感染症で、コウモリが宿主といわれています。

進行すると口、目、鼻、胃腸などから出血し、致死率は50~90%といわれており、「デング熱」とは比べものにならない恐ろしい病気です。映画「アウトブレイク」は、このウィルスを殺人兵器に使うというサスペンス・ストーリーでした。やはりワクチンや治療薬はまだありません。日本に入って来ないことを祈りましょう。

 ウィルスや細菌に感染するとなぜ発熱するのでしょうか?

 これは、発熱することによってウィルスや細菌の増殖を抑え、また白血球の動きが活発になり侵入した外敵をやっつける、つまり生体の防御反応の一つなのです。したがって、むやみに解熱剤を使用して熱を下げることは、生体に備わった防御機能を弱めることになりますが、高熱が長期間つづくと、脳などに障害を来すこともあるため、必要最小限に使うことはかまいません。
 
 高齢になるとこの防御反応がにぶくなり、感染してもあまり熱が出ないことが多く、病気が見逃されて重症化することが珍しくありません。

 頭を使い過ぎて熱が出ると、「知恵熱」だという人がいますが、これは間違いで、ストレス等による心因性の発熱です。頑張りすぎる現代人に急増しています。本来の「知恵熱」とは、乳児が知恵のつきだす頃(生後半年~1歳ぐらい)にみられる原因不明の発熱のことをいいます。

恋の病

 ウィルス感染で熱に浮かされるのはまっぴらですが、熱に浮かされるような「恋の病」ならかかってみてもいいですね。ただ、こちらも治療薬はまだないようですが。

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「細菌とウィルス」

 5月17日土曜日の午後、私は東京の国立競技場に向かっていました。

 待ちに待ったポール・マッカートニーの公演が間もなく始まる・・はずでした。ところが会場に着いた時、信じられないアナウンスが流れてきました。
「本日のコンサートは、本人のウィルス性疾患のため中止になりました。」
唖然、呆然。その時の絶望感は言葉になりません。

 ポールを襲った憎き「ウィルス」とはいったいどんなものでしょう。
ウィルスが引き起こす病気といえば、風邪に始まって、はしか、水ぼうそう、インフルエンザ、ヘルペスなど、おなじみの病気から、肝炎、エイズ、ひいては一部の癌や白血病までさまざまです。

 ウィルスと間違えやすいもので「細菌」と呼ばれる病原体があります。混同しがちですが全く違うものです。細菌もさまざまな病気を引き起こします。食中毒、気管支炎、肺炎、膀胱炎などなど。

 ウィルスと細菌はどう違うのでしょうか?
 
 細菌は細胞を持ち、それ自体で生きてゆくことが可能ですが、ウィルスは人や動物などの生命体に寄生しないと生きてゆけません。そもそも細胞を有していないので、生物とはいえないかもしれません。

 細菌の中には我々人間に役立つ良い連中がいることはご存知でしょうか。
味噌や酒、チーズなどの発酵食品に欠かせない「酵母菌」、ヨーグルトに含まれる「ビフィズス菌」や「乳酸菌」、納豆を作る「納豆菌」などで、これらも立派な細菌です。一方「良いウィルス、役にたつウィルス」というものは聞いたことがないですね。ウィルスはあくまでも嫌われ者のようです。

 我々の立場からすると、細菌には抗生物質が効きますが、ウィルスには効かないのが大きな違いです。肝炎に対するインターフェロンやインフルエンザに対する抗ウィルス薬などが開発されて、それなりの効果をあげていますが、まだまだ治療に苦労することが多いのが現状です。

 最近は、「新型インフルエンザウィルス」につづいて「コンピューター・ウィルス」という、やっかいなウィルスも登場してきて困ったものです。

【大久保忠俊(おおくぼ ただとし)医学博士・大久保外科/消化器科院長】
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Dr.大久保

「風邪の話」

 この冬はとても寒かったので、風邪を引いた人も多かったのではないでしょうか。寒さ自体が風邪の原因ではありませんが、やはり冬の方が風邪を引く人はだんぜん多いようです。英語でも風邪のことはCommon coldといいますね。

 風邪とは、鼻水、のどの痛み、せき、発熱などの症状を来す病気ですが、なぜ「風邪にかかる」と言わないで「風邪を引く」と言うのでしょうか。
 
 風邪は、邪(よこしま)な風、つまり「悪い風」という意味で、古くから病気は、悪い風が体の中に「引き込まれる」ことによって起こると考えられており、それで「風邪を引く」と言われるようになったそうです。

 「悪い風」は、病気全般の原因と考えられていて、実際に「風疹」「痛風「破傷風」など「風」がつく病名がたくさんありますね。脳卒中の後遺症で半身麻痺になった状態を以前は「中風」と言いましたが、これも「風に中る(あたる)」という意味です。

 残念ながら風邪の原因の大部分であるウィルスに効く薬はありません。
 
 TVなどでは、「風邪を引いたら○○」などと風邪薬の宣伝をしていますが、あれは発熱や鼻水、のどの痛みなどの症状を和らげるだけです。
 
 しかし、風邪とまぎらわしい病気のこともありますので、自己判断で市販の風邪薬を飲むようなことはお勧めできません。また、お腹が痛かったり、下痢をした際に「お腹が風邪引いた」と言って風邪薬を飲んでいる人がいますが、大きな間違いです。
 
 必ずかかりつけのお医者さんを受診してください。その際、「風邪を引きました」だけでは、お医者さんは困ってしまいますので、どんな症状がいつごろからあるのかということを説明してください。

 風邪を引いたら、まずはゆっくり休むことです。保温を心がけ、栄養のあるものを摂るようにしましょう。熱が高い時は脱水症状を起こしやすくなるので、水分補給を心掛けましょう。
 
 また、ふだんからバランスのよい食事、十分な睡眠、適度な運動によって体の免疫力を高めておくことも大切です。


【大久保忠俊(おおくぼ ただとし)医学博士・大久保外科/消化器科院長】
大久保外科/消化器科 浜松市中区菅原町16−15(県居小学校そば)
TEL:053-453-4598 FAX:053-453-4975

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